千曲市で家づくりを検討されている方の中には、「冬の寒さが気になる・・」「ランニングコストはなるべく抑えたい!」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
コロナ禍以降、家にいる時間を充実させたいという生活者の声が高まっており、家づくりや住宅業界で重要度が高まっているのが「高気密・高断熱住宅」です。
高気密・高断熱住宅は、室内の温度を一定に保ちやすく、冷暖房効率が高いため、快適さと省エネ性を両立できるのが大きな魅力です。
この記事では、高気密・高断熱住宅の基礎知識から、千曲市に適した断熱基準、そしてメリット・デメリットまで、工務店の視点からわかりやすく解説します。
千曲市で快適な家づくりをしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
高気密・高断熱住宅とは、「室内の空気を外に逃がさず、外気の影響を受けにくい住宅」を意味します。
まず「高気密」とは、住宅の隙間を極力なくし、外気や湿気の侵入を防ぐ性能を表します。
続いて「高断熱」は、屋根・壁・床・窓などを通じて出入りする熱の量を、できるだけ少なくする性能を指しています。
高気密・高断熱住宅では、これら2つの性能を組み合わせることによって、1年を通して室内の温度が安定し、少ないエネルギーで快適な住環境を維持できます。
高気密・高断熱住宅の性能は、「UA値」「ηAC値」「C値」といった数値によって客観的に評価されます。
これらの数値が小さいほど、外気の影響を受けにくく、省エネ性の高い住宅であるとされています。
各基準の詳細について、以下で順に確認していきましょう。
UA値(外皮平均熱貫流率)は、住宅の外壁・屋根・床・窓などからどれくらい熱が逃げるかを示す数値です。
単位は「W/㎡・K」で、数値が小さいほど断熱性能が高く、室温が外気に左右されにくい住宅であることを意味します。
たとえば、屋根や壁の断熱材を厚くしたり、断熱性の高い窓を採用したりすることで、UA値を下げることが可能です。
千曲市のように冬の冷え込みが厳しい地域では、この数値をどれだけ低く抑えられるかが、快適な住まいを実現する鍵となります。
出典:国土交通省「断熱性能」
ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)は、夏の冷房効率に関係する指標です。
窓や外壁などを通じて、どれだけ日射熱が屋内に入り込むかを表し、値が低いほど遮熱性能が高く、室内が暑くなりにくくなります。
特に南面に大きな窓がある住宅では、このηAC値の管理が重要です。
遮熱性能の高い窓ガラスを採用したり、庇(ひさし)や外付けブラインドで日射をコントロールしたりすることで、ηAC値を下げ、夏の冷房費削減につなげられます。
ただし、千曲市は全国的に見ても夏の気温が極端に高くなる地域ではなく、日射熱による影響は相対的に少ないとも言えます。
出典:国土交通省「断熱性能」
C値(相当隙間面積)は、住宅の気密性を示す代表的な指標です。
これは「住宅全体にどれだけの隙間があるか」を数値化したもので、「C値=建物全体の隙間面積 ÷ 延べ床面積(単位:㎠/㎡)」という式で算出されます。
C値の数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高い住宅であることを意味します。
一般的には、C値1.0㎠/㎡以下であれば高気密住宅と呼ばれることが多いですが、特に基準があるわけではないので、過度な低さを追い求める必要はありません。
また、C値は設計段階での予測値ではなく、建物の完成後に気密測定を行わないとわからない数値です。
そのため、C値を公表していない会社は、そもそも測定していない可能性がある点にも注意しましょう。
断熱性能の基準は、国が定めた「省エネルギー基準」によって地域ごとに異なる数値が設定されており、千曲市を含む長野県は「4地域」に分類されています。
この4地域におけるUA値の基準は「0.75以下」であり、これを下回る住宅であれば、冬の厳しい寒さの中でも、比較的少ないエネルギーで暖かく過ごすことが可能になります。
データ引用・画像出典:IBEC建築省エネ機構「住宅の省エネルギー基準」
高気密・高断熱住宅には、快適な暮らしを支えるさまざまなメリットがあります。
ここでは、千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる代表的な5つのメリットについて、詳細を確認していきましょう。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる最大の魅力は、外気温に左右されにくい快適な室内環境を実現できる点にあります。
千曲市の冬は氷点下になる日も珍しくありませんが、断熱性の高い住宅であれば、暖房の温度をあまり高くしなくても、室温の低下を防ぐことができます。
また、夏場も外の熱気が室内に入り込みにくくなるため、冷房効率が向上し、湿気や熱による不快感を軽減できるでしょう。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てると、年間を通して冷暖房費を抑えられる点も大きなメリットです。
断熱性と気密性が高い住宅は、少ないエネルギーで室内温度を一定に保てるため、電気代や灯油代などのランニングコストを抑える効果が期待できます。
たとえば、同じ広さの住宅であっても、気密・断熱性が高ければ、設定温度を下げすぎずに済み、使用時間も短くて済みます。
千曲市では、冬になると窓や壁に水滴がつく「結露」に悩む方も多いです。
結露は放置すると、カビの発生や木材の腐食につながり、住宅の寿命を縮めてしまう要因にもなります。
その点、高気密・高断熱住宅は壁内の温度差が小さくなるため、結露・カビの発生リスクを大幅に減らせ、住宅と住む人を健康な状態に保ってくれます。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てるメリットの一つとして、ヒートショックのリスクを軽減できることも挙げられます。
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動した際などに起こる急激な温度変化によって、血圧や心臓に負担がかかる現象です。
特に寒さが厳しい千曲市では、高齢者を中心に、ヒートショックが注意すべき健康リスクの一つとされています。
高気密・高断熱住宅であれば、室内の温度差を最小限に抑えられるため、家全体が一定の暖かさを保ちやすくなり、安心して冬を過ごせる住環境が実現します。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てることで、外部の騒音を遮る高い防音効果も期待できます。
高気密な構造は、空気の出入りだけでなく音の出入りも抑えるため、交通量の多い道路沿いや近隣との距離が近いエリアでも、静かな室内空間を保てます。
また、家の中の音が外に漏れにくくなるため、生活音や趣味の音楽などにも気兼ねせずに過ごせるでしょう。
千曲市で高気密・高断熱住宅を検討している方へ、高気密・高断熱住宅で後悔する可能性についてお伝えします。
ここでは、代表的な3つのデメリットについて解説します。
「高気密・高断熱住宅は息苦しいのでは?」という不安の声は、実際によく聞かれます。
千曲市のように冬の寒さが厳しい地域では、外の冷気を遮断して暖房効率を上げるため、気密性の高さが求められます。
しかし、換気計画が不十分なまま気密性だけを高めてしまうと、空気の流れが悪くなり、室内の空気がこもってしまうことがあります。
そのため、千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる際は、信頼できる工務店を選び、気密性だけでなく換気設計にも配慮した家づくりを行うことが重要です。
高気密・高断熱住宅は、設計通りの性能を確保するために、非常に精度の高い施工が求められます。
いくらUA値などの数値が優れていても、実際の現場で断熱材の施工が不十分だったり、気密処理にムラがあったりすると、本来の性能が発揮されません。
「高気密・高断熱」をうたっていても、現場の品質管理が甘い業者に依頼すると後悔の原因になります。
そのため、千曲市で高気密・高断熱住を建てる際は、気密・断熱の実績や施工方法に透明性がある業者を選ぶようにしましょう。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる際、「建築費用の高さ」がネックになることもあります。
高気密・高断熱住宅には、高性能な断熱材や複層ガラス・トリプルガラスといった高断熱窓、気密性を保つための丁寧な施工などが必要です。
その結果、高気密・高断熱住宅は一般的な住宅より、初期費用が高くなる傾向があります。
しかし、これは長期的に見れば、冷暖房費の削減や住宅の劣化防止など、トータルでのコストパフォーマンスに優れる投資ともいえます。
そのため、目先の価格だけで判断せず、住み始めてからの光熱費やメンテナンスコストも含めて「ランニングコスト」を意識した検討をすることが大切です。
高気密・高断熱住宅の快適性を最大限に引き出すには、設計や施工の段階から正しい工夫が求められます。
ここでは、千曲市の気候条件に合った高気密・高断熱住宅を実現するための、具体的なポイントを4つご紹介します。
高気密・高断熱住宅の基本は、屋根・壁・床といった建物全体を、断熱性能の高い素材でしっかりと包み込むことです。
特に千曲市のように冬の冷え込みが厳しい地域では、外気に触れやすい天井裏や床下部分の断熱が非常に重要になります。
さらに、断熱材の性能を十分に発揮させるには、隙間のない丁寧な施工が不可欠です。
そのため、断熱材の選定から施工管理まで、信頼できる工務店と二人三脚で進めていくことが、後悔のない高気密・高断熱住宅を実現する鍵となります。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる際は、「窓」の断熱性能にも注目しましょう。
住宅の熱の出入りは窓からが最も多く、せっかく壁や天井を断熱しても、窓の性能が低いと断熱性のバランスが崩れてしまうためです。
千曲市の冬は朝晩の冷え込みが強いため、複層ガラス(ペアガラス)などが適しています。
さらに、Low-Eガラスのように遮熱・断熱コーティングされたガラスを使用することで、外気の影響をより少なく抑えられます。
サッシについても、熱伝導率の低い樹脂サッシや、樹脂とアルミを組み合わせた複合サッシを選ぶことで、断熱性だけでなく結露対策にも効果が期待できます。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる場合、夏場の「日射対策」も忘れてはならないポイントです。
断熱性が高い住宅は、外の暑さを防ぎやすい反面、いったん屋内に入った熱がこもりやすくなるため、冷房負荷が増えてしまうことがあります。
そこで有効なのが、庇(ひさし)や外付けブラインドといった日射コントロールの工夫です。
特に南向きの窓には、夏の高い太陽を遮りつつ、冬の低い太陽を取り込める角度の庇を設けることで、自然の力を活かした室温調整が可能になります。
千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる際、「空調システムの選び方」も暮らしやすさを左右する重要な要素です。
全館空調を採用する場合、導入コストやメンテナンス費用が高額になりやすく、故障時には家全体に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、私たち「しあわせや田尻木材」では、部屋ごとに温度調整ができる「個別空調」の採用を推奨しています。
個別空調であれば、生活スタイルや季節に応じて必要な場所だけを効率よく冷暖房でき、光熱費の節約につながります。
また、仮に空調機器が故障した場合でも、個別空調であれば影響が限定的で済むため、安心して快適な暮らしを維持できます。
最後に、「しあわせや田尻木材」が手掛けた、千曲市の高気密・高断熱住宅の施工事例をご紹介します。
これから千曲市で高気密・高断熱住宅を建てようか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
こちらは、千曲市に建てられた、グレーの外観がおしゃれな高気密・高断熱住宅です。
室内はグレーの外観と白い壁に階段の木目が調和する、ホテルのような高級感のある仕上がりになっています。
1階と2階にランドリールームを設け、各所にオープン収納を配することで、効率的で使いやすい家事動線が実現されています。
こちらは、夏の日差しに映える白いガルバリウムの外観が爽やかな、海を感じられる千曲市の高気密・高断熱住宅です。
南側にはタイルテラスを設け、家族や友人とお家BBQなどを楽しめるようになっています。
陽光がたっぷり差し込むLDKは、ホワイトを基調としたビーチリゾートスタイルでまとめ、お家時間をリラックスして過ごせる空間に仕上がっています。
こちらは、爽やかな印象の白い外壁に、杢目のドアとグリーンのポストがアクセントになった、千曲市の高気密・高断熱住宅です。
玄関を入ると2つの動線があり、一方はLDK、一方は水回りへとつながり、日々の生活がスムーズになるよう工夫が施されています。
LDKにはカウンターデスクを設け、お子様の学習スペースなど多用途に使える、快適な空間に仕上がりました。
今回は、千曲市で高気密・高断熱住宅を建てる際のポイントをテーマに、性能基準からメリット・デメリット、実際の事例に至るまで、幅広くご紹介しました。
千曲市のように冬の寒さが厳しい地域では、外気温の影響を受けにくく、1年を通して快適な室内環境を保てる高気密・高断熱住宅が非常に適しています。
冷暖房費の節約や結露対策、ヒートショック予防など、多くの面で暮らしの質を高めてくれるでしょう。
今回ご紹介したポイントを参考にしながら、信頼できる工務店としっかり相談し、千曲市で快適に過ごせるマイホームを実現してください。
しあわせや田尻木材では「日本でいちばん素敵な笑顔が集まる工務店」を目指し、長野県で1世紀以上にわたり、数多くの新築・リフォームを手掛けてきました。
高気密・高断熱住宅に関するご相談も承っておりますので、千曲市をはじめ長野県内で新築住宅をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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