おかげさまで創業110年
しあわせや 田尻木材株式会社 四代目半の田尻でございます。
久々の東京出張ついでに渋谷で写真の展示を見てきました。
渋谷の街並みは、とてもフォトジェニックなので好きです。
目次
さて、私の失敗例、失敗談ってことでお話ししてみようと思います。
これは、私自身が20年近く前に家をつくって暮らしてみて感じた失敗談もありますし、
志事上で家づくりをした中で、明らかに失敗した話や、
失敗とは言えないんだけど密やかに反省した件などをこっそりおはなししていこうかと。
(ここに書いたらこっそりにはならないな、きっと。。。)
ちなみにこのブログは、ラジオのように音声で聞く事が出来ます。こちらからどうぞ。
えーっとですね。
これは自分の家の失敗として、私的には最大級のコトなんですよね。
当時、アルミ樹脂複合サッシ(今、しあわせやでメインで使っているサッシ)
・・・それは外側がアルミで耐久性が高く、しかし中側は樹脂で断熱性とインテリア性を確保したサッシがデビューした頃でした。
高性能で見た目の良い窓が出来た!と私は喜んだモノです。
さらに、私の家はある意味「実験台」でもありましたので、
とある特別な工法を採用していました。
私はこの「工法」と「サッシ」のうたい文句を、盲目的に信用しました、恥ずかしながら、実は。。。
この頃の私は住宅専門になってそう日も経っていなかったので、
いろんな勉強により知識はかなり身についていました。
が、経験は圧倒的に不足していました。
「明るく開放的なのに暖かい家をつくりたい」
その方法を、安直に「工法」と「サッシ」に求めたのです・・・。
私の設計した家は、断熱性能は大したことない、というシミュレーション結果は出てたんです。
原因は、まぁその工法の設定している断熱性能レベルが大したことなかったという理由もありますが、
一番は私が窓を大きくしすぎたのです。
でも盲目的に信じ込んだ私は、ナゼかそのシミュレーションをスルー。
当然ながら、当時の高性能住宅な基準ギリギリの家が出来上がりました。
まぁ、ダメじゃないんですよ。
それなりに暖かいんです。
でも、私の思い描いた家とは、ちょっと違ったんだよなぁ。
さて。
なぜ私がこのような失敗をしたのか?
「窓が大きく、暖かい家」
というコンセプトがそもそも、
「エコカー並に燃費が良くてガツンと速い車」みたいに、
どう考えても相反する特性を持っている要望であったこと。
そしてなにより、そこには
「明るい家=窓が大きい」
という前提があったのですね。
つまり私の真のコンセプトは、
「明るく、暖かい家」
だったのでした。
今の私なら、もうちょっと違う考えをします。
明るい家とは、必ずしも窓が大きいわけではない、と。
窓って、小さくても光を採り入れる事が出来るんですよね。
(いや、もちろん窓をでかくすれば明るくなるんだけどさ)
取り付ける高さや形、
使う壁紙の色、
取り付ける大きさと数、位置。
いろんなことで、部屋の明るさは確保することが出来てきます。
なにも大きくすることだけが明るくする手段なのではありません。
↑別の日ですけど、渋谷の裏側の方で撮った写真↑
世の中には、技術や情勢の変化によって通じなくなっている常識ってのがあります。
例えばさっき私が言った
「エコカー並に燃費が良くてガツンと速い車」
これ、エンジン車では難しい話でした。
でも、
今みたいに車を「モーターで走らせる」ことが出来るようになると、出来ちゃうんですよね。
少なくとも加速については、電気自動車はエンジン車を上回るそうです。
みんななんで明るい家にしたがるのでしょうか?
たしかに薄暗いよりはいいよな(笑)
夕方、お客様宅に行くと、かなり薄暗いけれど電気をつけないでいる家ってあります。
節約の一種なのかもしれません。
しかし今、照明はほとんどLED。
電球や蛍光灯の、半分以下の電力で賄われています。
その照明の節約のために窓を大きくしたことで、
冷暖房に使うエネルギーが増えちゃうなら、全く意味がありません。
そもそも照明より冷暖房の方がよっぽど電気を使いますので、
どっちかというと優先するのは冷暖房効率です。
最近では、国は断熱の等級ランクを現在の4段階から7段階に増やす動きをしています。
そうなってくると、
これまでは窓の性能や断熱材の厚さで性能アップをして来ましたが、もう限界になるでしょう。
窓を小さくする動きも出てくるはずです。
(現に、最近お風呂やトイレに窓のない家も出てきてます)
明るく、という要望の意味、
考え出すと、意外と深いですね(笑)
まぁなんにしても、
今日も、
しあわせは、いつもの中にある。
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