おかげさまで創業110年
しあわせや 田尻木材株式会社 四代目半の田尻でございます。
悲しい出来事がありまして・・・
一緒に家づくりをしたオーナー様が、突然お亡くなりになってしまいました。
ウチのスタッフが、つい1週間ほど前にお目にかかったばかりだというのに、
次の週には訃報の連絡が来るなんて・・・
私よりちょっと年上のお客様。
お家の完成は、もう10年以上前。
とある方の紹介で初めてお目にかかったのですが、
そもそもその紹介者もたまたま偶然に知り合ったぐらいの話なので、まったく強いきっかけではなかったご縁。
しかし、きっかけなんかなんでもいい、知り合えさえすれば。
その後の家づくりは、紆余曲折はいろいろあれども、
私と担当スタッフを「100%」と言っていいくらい信頼して下さった。
打ち合わせもいつも笑顔にあふれて、家づくりを楽しんで下さったお客様でした。
季節のご挨拶を担当スタッフに最近行ってもらっていたので、
私自身がお目にかかるのは数年ぶりだったのですが・・・
久々にあったご主人は、
遠目にしか見れませんでしたが、顔色悪く寝たままで動く様子はない・・・
そして、
その前に立つ奥さまとは、言葉の掛けようがない距離での対面となりました。
きっとみんなに声を掛けられたら、もう立ってなんかいられないのだろうな、と感じました。
「なんで??」
誰にも答えられない問いを眼で訴えたつもりですが、返ってくる言葉なんてあるわけがありません。
私はお通夜に参列したのですが、
もう行く途中から涙はあふれるし、いやだいたいその前に髪を切りに行ってたんですが、
散髪台に座りながらも、涙がにじんで困ったんだよね。
そんなときに限ってナゼか夕陽が劇的に美しくて、その美しさはいらねーんだよ、と涙目で思ってました。
少し落ち着いて見て思ったことが、2つありました。
1つめ。
人との関係の強さって、長い短いも関係あるけど、ひょっとして濃さ深さの方が影響があるんじゃないかなってこと。
紆余曲折もあったし、内部事情もいろいろ聞いてた。
私も担当スタッフも、深くご家族に関わってた。
その後に会う回数はそう多くはなかったけれど、人の死に対して最近ここまで涙が止まらなくなったことはない。
気持ちは一瞬で当時に戻っていた、そんな気がした。
ここで言うべきかどうか分からないが、そんな家づくりをさせてもらったオーナー様には、本当に感謝したい。
2つめ。
家、つくっておいて良かったな・・・
誤解を招くことかもしれないけど、そう思った。
いくらで何年まで返す住宅ローンだったか、だいたい覚えてた。
さすがにまだ残ってるはずかと・・・
そのローンは・・・これでゼロになるはずだ。
こんなに喜べない繰り上げ返済、私も20年の住宅屋人生の中で、まだ2度目。
どちらもまだ成人してないお子さんが複数いるご家庭。。。
もしアパートに暮らしていたら、そもそもどこで暮らすのかというところから見直すことになりかねない。
1人で家賃から全部含めてってのは、職にもよるが、現実的に悩みが多い。
だけど、少なくとも住むところは安定している。
それは何よりの救いだろう。
・・・なんの慰めにもならないが・・・
思い出したくもないので今まで忘れていたが、
思い出した瞬間、涙があふれたことがある。
初めて若くして目を落とされたオーナー様の葬儀に参列したときのこと。
会場内の待合部分に、私が撮ったご家族の写真が飾られていたんだよね。
その中のご家族は、ハチャメチャに楽しそうにしていてさ。
それ見た瞬間、その時のことを思い出して涙が止まらなくなった。
これ書いてても、泣けてくる。
こんな悲しいことは、もう起こって欲しくないな、と改めて思った。
そして・・・自己満足ではあるけれど。
そんなふうに思える関係で家づくりをさせていただけたことは、誇りに思えた、かな。
オーナー様ご家族に、感謝の気持ちを改めて深く感じたと共に、ご冥福をお祈り申し上げます。
全ての悲しみを抱えている皆様に、
一刻も早く平穏が訪れますように。