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BLOGしあわせブログ

2024.01.03【家づくり】仕様や設備・素材の話をアピールしない理由。

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Shiawaseya-【家づくり】仕様や設備・素材の話をアピールしない理由。

おかげさまでなから創業115年

しあわせや 田尻木材株式会社 四代目半の田尻でございます。

 

年末、その年最後のFMラジオの収録日は、ちょうどそのビルのエレベーター点検日でした。

7階まで階段で上がったってのは、いつ以来なんだろう?

逆にすがすがしい気分になりました。

25年前、長野駅前の欅屋びくらさんのオープン工事をしてたサラリーマン時代は、10階まで1日5往復とか平気でしてましたが・・・

 

本題。

しあわせやっていう会社は、

家の話をしない会社

だと思います。

家に使っている材料・素材・部材、つくり方、性能ウンチクの話です。

家の話、というよりは、

モノ・・・設備、仕様、素材の話をしない

と言うべきですかね。

で、この「モノの話」は往々にして

「差別化」

というところに結びつけられます。

「なぜウチの家でなければダメなのか」

「他の住宅会社とどこが違うのか」

というところです。

実は私、モノの話をするのは大好きなのです。

その辺の住宅メーカーの営業さんを絶対に打ち負かす自信あります(笑)

だってセールストークとしてしゃべってるんじゃなくて、技術屋だから本質を理解してしゃべってますので(笑)

でもこの差別化って話になってくると、

「住宅会社側の大人の事情」が見えてきて、好きじゃないのですよ。。。

 

先にぶっちゃけて言いますと、基本的にモノの話は、全部一長一短です。

どこに注目するか、で良し悪しの結論が変わります。

圧倒的にいいものが登場したときには、世の中全体がそれに変わっていくものです。

(レコードがCDに、そしてiPodなどに記録するようになり、今では記録すらしないSpotifyなどのストリーミングになったように)

ですが、それが存在しつづけてるってことは、それが必要とされる人・場面があるってことです。

そしてモノに注目すると、結局

「説明するのが上手い人・会社」

が売れるようになっていきます。

そしていろいろな人・会社の話を聞けば聞くほど、

「誰の言うことを信じればいいのかわからない」

「何が本当にいいのかわからない」

という状態になっていきます。。。

 

モノにこだわるのは大事ですし、家づくりはものづくりでもありますから、

「今日の晩ご飯は冷蔵庫の中の残り物で作ったのよ~」

みたいな適当なチョイスで家づくりをされても困りますよね(笑)

そこはちゃんとこだわらなきゃいけないと思います。

 

弊社においても実はいろいろこだわってるんですが、あんまりその話を表立ってしない傾向があります。

なぜそうしたのか、ちょっとお話ししていきます。

(え?ここまでが前置きなの??汗)

 

 

時は2001年に遡ります。

いろんな事情があり

私たち夫婦は、降って湧いたように家をつくることになります。

(本当なんだって)

住宅の専門家としての道を歩み始めていた私は、

これからどういう家づくりをしていけばいいのか、絶賛勉強しまくっている最中で、

ちょうどそれに一定の道筋が見えていたところでした。

「よし!オレの家をモデルケースとして、差別化した家づくりをしていこう!!」

はい、正直、私はこう思っていました。

これ、小規模工務店あるあるです(笑)息子の家がモデルハウスになっちゃうパターン。

 

しか~し!!

2001年ってのは、まだネットで情報収集がろくすっぽ出来ない時代だったのですよ。

住宅会社で言うなら、ホームページがあるかないか、というレベルであり、

Google検索もSNSもまだない時代ですからねぇ。

ネットで拾える情報は本当に少なく、

あれこれ文献とか、業界新聞とかで気になった記事、広告などを、目を皿のようにして漁り、

欲しい情報は東京の展示会でしか得られず、

保守的だった会長には「何しに行くんだ」ぐらいの言われ方をしながら(笑)情報収集をし、

いいなとおもってサンプル取り寄せようと建材屋に頼めば

「なんですかそれ?」

いいなと思って注文すれば

「そんなの頼むの博巳さんくらいですよ(当時は役職がなかったので下の名前で呼ばれていた)」

と言われ。。。

まぁ、いい想い出ですけどね(笑)

そして、こだわりまくった素材・工法・アイディアを詰め込んでつくったのが、私の自宅なのです。

 

で。

そこまでやって、暮らしてみて思ったことなのですが、

「そのこだわりを、何も実感できない」

という衝撃の事実でした(笑)

 

例えばこの時に弊社初採用となった物で今でも採用されているのは・・・

・エコカラット(トイレ)

・薩摩中霧島壁(リビング)

があります。

たまたまどちらも吸放湿、消臭が主な特徴です。

が、ぶっちゃけ私はどちらもその性能を自宅では実感出来てません。

意匠的な意味では満足してますがね。

人間って、ビフォーアフターがあれば実感出来るんですけど、

新築で採用しても、機能的な違いはよく分からないですよね。

測定器で測れば違うと思うんですけど・・・それ、意味ないですよね(笑)

 

ただし霧島壁は、超超ヘビースモーカーのおじいちゃんの部屋に採用した時に、その絶大なる効果を実感しました。

昔の人なので、両切りの缶ピースを一日40本吸っちゃうという方。

両切りの缶ピースって最近の方はよく分からないと思いますけど、イマドキのたばこなんかとは比べものにならない強さです。

ニコチン2.3mg タール28mgだって、、、

今でも売ってるメジャーなタバコで言うと、セブンスターとかショートホープの2倍の強さです。

ショートホープなんて、私が吸ったらクラクラくるよ。。。

そのおじいちゃんが5,6年暮らした段階で行ってみたのかな?

匂わない、とは言いません。

しかし、タバコを吸わない、タバコのニオイが嫌いな私が、あまり気にせずいられたレベルです。

あの消臭力はスゲぇなと思いました。

だから先日も喫煙室に使ってましたね。

↓霧島壁を塗って、お子さんに手形をつけてもらったところ。

こういう楽しさもある(笑)

 

 

他にも自宅でこだわったものは多いけれど、

「使って良かった~」と思えるものは、プロであるはずの私の目から見てもほとんどなく。。。

仮に、普通の材料でつくっていたとしたらいくらだったんだろう?

と差額を計算した私は、唖然としましたよ、マジで。

結局その差額はカミさんに未だに言っていません(汗)

 

その時私は決めたのです。

「それが欲しい!と思っているわけでもない人に、これがいいんだ!と売るのはやめよう。だって実感出来ないんだから。」

実感出来ない付加価値を勝手に売りつけられるのって、私は余計なお世話だと思うんです。

それつけないと身体に害がある、というなら別ですよ?

でもあくまでも、なくたって普通に暮らせるものなんだから。

その分、安くしてあげた方がいいですよ。

私はそう思っています。

 

だけどね、

それだと「差別化」にならないんですよ!

「なぜウチの家でなければダメなのか」「他の住宅会社とどこが違うのか」

この説明が成り立たないんです、普通じゃあ。。。

 

私は悩みます。

どうしよう、

思ってもいないメリットを打ち出して差別化していくのか?

・・・結局、私はその嘘がつけませんでした。

そして、モノで差別化していく道から外れていったのです。

 

ただし、それは、

モノにこだわっていないわけではありません。

ちゃんとした性能をきちんと持つ安心な材料を使う、ということにはこだわっています。

お客様が実感しないレベルの、住宅会社都合でつけた付加価値にはこだわらない、というだけです。

いいと思えたものは勧めますよ、霧島壁とかね(笑)

 

ずいぶん長くなっちゃった。。。(汗)

 

ってことで、

しあわせは、いつもの中にある。
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