おかげさまで創業115年
しあわせや 田尻木材株式会社 四代目半の田尻でございます。
新年、あけましておめでとうございます。
皆さま、どんなお正月をお過ごしでしょうか?
私はというと、元旦早々、会社でパソコンの前に貼り付いてました・・・
ちょっとやりたいことをやり始めたら、区切りが悪すぎて、結局まるっと一日(汗)
なんだかなぁ、まぁそういう1年になる予感はありますけどね(笑)
今の時代、家づくりも効率化が進んでいます。
コスパ、タイパ、大事ですよね。
でも、「いい家づくり」ってそれだけじゃないと思うんですよ。
ふと、ある懐かしいお客様との想い出が頭をよぎったので、今日はちょっと長くなるけど、その話を書いてみようと思います。
もう随分前の話になりますが、あるご夫婦との出会いがありました。
このご夫婦、ホント勉強熱心な方でして。
あちこちの家づくり系セミナーや見学会、もちろん私たちの見学会にも毎回のように参加してくださっていたんです。
あまりにも熱心に来てくださるので、社内では親しみを込めて「皆勤賞さん」なんてお呼びしていたこともありました(笑)。
いろんな会社を見てたんですけどね、フィーリングが合ったのでしょうか?
最終的に私たちを選んでいただいたわけですが。
・・・そこからが、長い長い道のりのはじまりでした(笑)
こちらのご夫婦の土地、クリアしなければならない申請がいくつかありました。
なので、すぐに建てられない状況。
それもあって、じっくりとプランを練る時間があったんです。
しかしこのご夫婦、家づくりへのこだわりが本当に強かった。
打ち合わせの中で、ご夫婦の意見がぶつかることがあったんですけどね、
「え?ちょっとまって。もう一回確認しよう」
って二人の世界に入るんですけど、どう見てもお二人の頭の中には全く同じ写真があるようにしか思えないほど具体的なイメージが共有されてるんです。
これ、私たちのようなプロの世界ならともかく、お客様が見てもないものを夫婦で共有してるってすごいことです!
なんですけどね。
そういう、部分部分のイメージは固まってるんですけど、それらをひとつの間取りにまとめるのが、まあ大変(笑)
第1案、第2案…と図面が増えていき、しまいには私が使っていた間取り作成ソフトをお渡しして、ご夫婦にもつくってもらうような状況になりました。
そして、最終決定した図面は「プラン33」。
その途中には「プラン15B」みたいな枝番もあったので、正直、いくつつくったのかは私も分からない(汗)
今なら考えられないですよね。
そうやって、契約書にサインをいただくまでに、なんと1年以上かかったんです。
そして迎えた契約の日。
お互いの都合で、平日の夜7時から始めることになりました。
お仕事帰りに来ていただいて、ひとつひとつ確認事項を読み合わせる。
そこでも細かい打ち合わせが出たりして、すべて終わってご主人が署名された頃には、もう10時を回っていました。
なんとか終わった、そんなふうに思っていたら。
ふと、ご主人が持っていたリュックサックから、ゴソゴソと何かを取り出したんです。
出てきたのは、缶ビールが2本。
「田尻さん、実は今日、僕の誕生日なんですよ」
「たまたま契約の日と重なったからね、田尻さんと乾杯したくて・・・」
そう言って、私に缶ビールを1本渡してくれたんです。
これにはやられましたね・・・ いい歳したオッサンが、お客様の前で泣いてしまいました。
お客様の前でこういう涙を流したのは、これが初めてでした。
1年以上の打ち合わせの積み重ねとか、私たちのことをそんな風に思ってくれていたこととか。
もう、いろんな想いがこみ上げてきちゃって、涙をこらえきれなかったんですよ。
今の時代、ここまで時間をかけることはまずありません、そういう時代だったんですあの頃は。
でも、この出来事が教えてくれる本質は、いつまでも変わらないと思っています。
家づくりって、よく「一生で一番高いお買い物」って言いますけど。
それが注文住宅であるなら、単なる「お買い物」じゃないんです、絶対に。
お客様と私たちが、あーでもないこーでもないと話し合う。
それって、一緒につくりあげる「共同作業」なんですよね。
「商品」を買う「買い物」だったら、どこから買ってもいいと思います。
でも家って、名前がついた「商品」のようなものもありますけど、基本的は注文生産です。
選択肢が広いか狭いかの違いであって、間取りだって本当に何にも変えない人ってほとんどいなくて。
どうやっていい家、自分たちの家をつくる?
って一緒に考える、共同作業。
これ、誰とでも出来るわけじゃない。
ちゃんとそこには信頼関係とか、理解がないとね。
私たちは、タイパというものも大事にはしていますが、あくまでも共同作業である。
そこを忘れずにいたいと想っている会社です。
本年も、しあわせやをどうぞよろしくお願いいたします。
ということで、