おかげさまで創業110年
しあわせや 田尻木材株式会社 四代目半の田尻でございます。
今日のお話は
・・・いや、これ、書いていいのかなとちょっと迷います。
弊社においても出来てるわけじゃない。
出来てない方が多いはず。
なんだけど、あるあるな話なので、半分はウチのスタッフに向けて、という意味で書いてみます。
言われた通りにする住宅会社、設計士。
これ、ダメなんですよね。
いや、言われた通りにしないのもダメなんですけど、
言われた通りにつくればいいと思ってるのもダメなんですよ。
理由を言います。
お客様は「素人」だから。
ごめんなさいね、馬鹿にしてるわけじゃないんですけど、氣に触ったら謝ります。
でも、事実ですよね。
希望は聞いてもいいし、聞く必要がある。
しかし、言われた通りにすればいいかというと、別問題。
例えばね、こんなことがありました。
これは、以前に私が設計担当したお客様との話です。
そのお客様は、お家の外側に「格子(こうし)」をつけたいと言い始めたのです。
こうしって、オリみたいなヤツね、鉄格子、とか言うじゃないですか。
家につけるときには、木っぽいやつで、目隠しにも使いますが、デザイン的なアクセントにする意味も強いです。
このお客様の場合は、100%デザイン的な意味でした。
えーっと、このお家のデザインからして、格子をつけるのはダメじゃないんです。
ダメじゃないんだけど、なんか「蛇足」なんですよね。
(だ‐そく【蛇足】 の解説
《昔、中国の楚 (そ) の国で、蛇の絵をはやく描く競争をした時、最初に描き上げた者がつい足まで描いてしまったために負けたという「戦国策」斉策上の故事から》付け加える必要のないもの。無用の長物。goo辞書より)
いや、つけたいならつけてもいいんだけどさぁ、なんで??
って聞いていったら、本当は格子が気に入ってつけたいわけじゃないってことが分かりました。
その前の打ち合わせで、間取りを少し変更したんですよね。
それによって外観が少し変わってしまい、外観上のアクセントになるところが、ちょっと小さくなってしまったんです。
アクセントにはなっているんだけど、前よりちょっと目立たなくなってしまった。
だから、
「もうちょっと外観にインパクトが欲しい」
↑これが本当の理由。
これね、ハイハイと言うことを素直に聞いていたらたどり着かないんですよ。
それに、格子をつけることはデザイン的にはまぁOKの範囲なんです。
なんだけど、このご夫婦の好みとか、これまでの話の進み方からして
「なんか少し違う」
ってことを感じ取れるかどうかがポイント。
(いや、なんか偉そうに書いてるけど、私もいつも出来てるわけじゃないよ)
あー、インパクトが欲しいんだ、そういうコトね。
んじゃどうしようか、このお客様の方向性からすると、
こういうのはどうですか?って提案して、
「そっちの方がいいです!」
って言っていただきました(^-^)
(繰り返すけれど、いつも出来るわけじゃない)
こういう話をするとき、ある人がお医者さんに例えて話していました。
どういう治療法にするか?
どういう手術をするか?
どの薬を飲むか?
お医者さんは、素人である患者さんの意見を聞きはするだろうけれど、
間違っても患者さんの言う通りになんて、しないだろう。
プロにはプロの見解があるし、
それがいつも正しいとは限らないが、素人が考えるよりは、成功確率は高いに違いない。
私はそう思っています。
だから、なんでもハイハイ聞いちゃうのは、プロのやることじゃないんだよなって思う。
もしお客様の言う通りにつくって、結果が良くなかったとしよう。
「ここ、不便なんだけど」
という訴えに、住宅会社が
「いや、言われた通りにつくったんですよ」
と答えたら、どうだろうか?
それって、ダメだと思うんだよね。
「いや確かにそうかもしれないけど、でも不便なんだったら教えてよ」
って思うでしょう?
これ、自分で書いてて、なかなか難しいんだよなぁって思う。
私たちが止めても、その時点ではお客様が理解しきれずにやってしまうケースもよくあるんだよね。
そうなんだけどさ、
そういうのを出来るだけ未然に防げたらいいよなって思うんです。
だから、
住宅会社が止めるには何か理由がある。
ちゃんとそれに耳を傾けてみて下さいね、というのが、この話の結論かなぁ?
ちなみに今日の写真は、
かみさんと一緒にビッグハットへドリカムのLIVEを見に行ったときの写真。
私の10代後半から20代前半を思い出させるアーティストですからね。
なんか、聞いてていろんな想いがこみ上げてきて、涙がこぼれました(笑)←トシ取るとホント涙腺ゆるくなってイヤ。
あ~、そうそう。
今度の週末は、2階建てと平屋のお家がいっぺんに見られる見学会をやってます。
くわしくはこちらからどうぞ~!
ってことで、
今日も