近年、全国的に平屋の人気が高まっており、バリアフリー世代はもちろん、若い世代からも注目が集まっています。
そこで、今回は、上田市で家づくりを検討されている方々に向けて、平屋のメリットやデメリットに加え、快適な平屋を建てるポイントをご紹介していきます。
さらに、上田市を含む長野県の平屋の実例も併せて見ていきましょう。
次の図にあるように、平屋建ての新築件数は、年間を通して右肩上がりの増加傾向にあります。2011年の約28,000件から、2022年の平屋建築棟数は約57,000棟にのぼります。
それに対して、一戸建て全体の件数は大体変わらず、横ばいの状態が続いていますので、相対的に平屋のニーズが増えてきていることを示しています。
出典:国土交通省「建築着工統計調査」を加工
近年、幅広い層から平屋の人気が高まっているのは、5つの理由が考えられます。ここでは、平屋が注目されている理由を、それぞれ詳しく見ていきましょう。
平屋には複層階層の建物のように階段がなく、「抜け感」を演出しやすいことから、視覚的に広々とした空間を実現できます。さらに、庭とのつながりを意識することで、より開放的な空間に仕上げることができ、実際の面積よりも広く見せられるでしょう。
平屋は、同じ面積の複層階層の建物に比べて、建築面積に対する基礎部分の面積が広いことから、耐震性が比較的高いと言えるでしょう。また、2階建てや3階建ての家よりも高さが低く、重心が低い位置にあるので、地震が起きても揺れにくいといった利点もあります。
上下移動がない平屋では、生活しやすい動線を確保できるのがメリットといえるでしょう。一般的な2階建て住宅の場合、2階にバルコニースペースを設ける場合が多いです。そのスペースで洗濯物を干そうとすると、洗濯物を干す度に2階に上がらなければなりません。
しかし、平屋の場合、洗濯室から洗濯物を干すスペースまで階段を上り下りする必要がなく、生活しやすいのが特徴でしょう。
キッチンやリビング、トイレやお風呂、洗面室や寝室など、生活に必要なすべてのスペースがワンフロアに集約されているのが平屋の醍醐味です。ワンフロアで完結されているので、家事をするために上下移動の必要がありません。
家族との距離が近く、どんなことをしているのか、何となく視界に入ることが多いため、小さな子どもや高齢者がいる場合でも安心です。
戸建て住宅の場合、外壁や屋根を定期的にメンテナンスする必要があります。ただ、2階建てや3階建て住宅では、メンテナンスの度に足場を組む必要があり、足場代が上乗せされることから、メンテナンス費用が高額になるケースも少なくありません。
一方、平屋なら、足場のコストを抑制してメンテナンスできることが多いので、メンテナンス費用を抑えられるのがメリットといえるでしょう。また、2階建てや3階建てよりも外壁の面積が小さくなるので、外壁の塗り替えにかかる費用を抑えられるのも平屋の利点です。
平屋にはさまざまなメリットがありますが、間取りや設計、住宅性能によってはデメリットになるケースもあります。ここでは、平屋にはどのようなデメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
平屋を建てる際に、開放的な空間を演出するために勾配天井を設けることも少なくありません。しかし、勾配天井によって、天井までの高さが高くなり、空間の体積が増えることから、冷暖房効率が悪くなる可能性があるのです。
たとえば、10畳用のエアコンを使用する場合、勾配天井がある平屋とそうでない平屋とでは、空間の体積が異なることで、冷暖房の効き具合に差が出ることがあります。冷暖房効率が悪くなると、エアコンの消費電力が高まり、電気代が高くなってしまうケースも珍しくありません。
しかし、冷暖房効率は、間取りの影響だけでなく、家の断熱性や気密性によっても変わってくるので、高断熱・高気密の平屋であれば、デメリットをカバーできるでしょう。
間取りや建物の形状によって、採光性が悪くなり、室内が暗くなることがあります。とくに南北に長方形になっている平屋の場合、南側からの自然光が北側まで届かず、暗く感じてしまうことがあるでしょう。
ただし、東西に窓を設置したり、南側に大きな窓を設けたりすることで、しっかりと自然光を取り込むことができるので、室内が暗くなることを避けられます。
上田市で住宅を建てるにあたり、地域特性や町の特徴を理解しておいたほうがいいでしょう。ここでは、上田市の土地費用の相場や、気候概要をご紹介していきます。
土地探しから家づくり計画を進めるときは、土地の購入費用も検討しておかなければなりません。上田市は、長野市や松本市と比べると、土地費用の相場が低く、土地購入費用を抑えられる可能性があります。
土地費用の相場が低いとはいえ、首都圏へのアクセスがよく、比較的便利な街といえるでしょう。生活するうえで車が必須なエリアではあるものの、大型ショッピングセンターがあり、買い物に困ることはほとんどないのも特徴の一つです。
しかし、上記はあくまでも平均価格なので、エリアや土地の状況、周辺環境によっては平均価格を上回ることも珍しくありません。そのため、予算計画をしっかりとおこなったうえで、土地探しを進めていくといいでしょう。
なお、上田市や周辺の自治体で施工実績があるハウスメーカーや工務店に相談するのがおすすめです。
上田市の盆地エリアの年間平均気温は11.8℃であり、最高気温は約35℃、最低気温は約-10℃です。日中と夜間の寒暖差が大きく、典型的な内陸性気候であり、夏と冬の温度差も大きいのが特徴です。
ただ、一年を通して晴れの日が多く、年間平均降水量は約900mmであることから、全国的にも少雨乾燥地帯であり、山間部以外における積雪については10cmを超えることはほとんどありません。
とはいえ、冬は気温が零下を下回ることがあるので、快適な平屋を建てるには、断熱性や気密性を意識することが大切です。
平屋のメリットやデメリットに加え、上田市の地域特性を理解できたものの、どうやって快適な平屋を建てればいいか、わからない方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、快適な平屋を建てる3つのポイントを見ていきましょう。
快適な平屋を建てるうえで、まずは生活動線を意識した間取りを計画してみましょう。上下移動がない平屋は、複層階層の建物よりも移動しやすいのがメリットであり、生活しやすいと感じることがあります。
ただ、より快適な暮らしを送るためには、生活動線を意識することが大切です。たとえば、キッチンとダイニングの位置関係や、玄関からキッチンへの動線、さらにランドリールームとクローゼットの距離など、さまざまなポイントを考慮して間取りを設計することで、快適な生活ができるようになります。
勾配天井とは、屋根の勾配に合わせて天井をつくることであり、平屋の醍醐味ともいえます。勾配天井によって、床から天井までの高さを確保でき、視覚的に広々とした空間を実現できます。
さらに、昨今は、スキップフロアやロフトなどをつくる設計も注目されており、ロフトスペースに書斎や趣味のスペースをつくることも人気が高まっています。
平屋のデメリットとして冷暖房効率が悪くなる可能性があることが挙げられますが、高断熱・高気密にこだわった家づくりをおこなうことで、デメリットをカバーできます。ただし、断熱性や気密性については、知識と経験があるハウスメーカーや工務店にしっかりと相談することが大切です。
というのも、断熱性は使用する断熱材やサッシなどによって大きく変わることに加え、気密性については施工方法の影響を受けやすいのです。
高断熱・高気密の家づくりの経験がなければ、断熱性や気密性が高い家を建てることが難しく、豊富な経験があるハウスメーカーや工務店に依頼することがポイントです。
ここからは、上田市や長野市など、長野県で豊富な施工実績があるしあわせや田尻木材の施工事例を見ていきましょう。
本平屋の床材には、木目がはっきりとしているこげ茶色のアカシア材が使われており、木の魅力を感じることができます。キッチンを中心とした回遊動線が設けられているので、家事をおこなうときの移動距離が少なく済み、生活しやすいのが魅力といえるでしょう。
また、リビングにある階段を上がると勾配天井を活用したロフトスペースに行くことができ、たくさんの本棚が設置されていて、図書館のような雰囲気を味わえます。
本平屋にはご夫婦とお子様が住まわれており、リビングにちょっとした工夫が施されています。キッチン前に設けられたカウンターは、食事スペースとして活用できるほか、お子様が勉強するスペースとしても利用できます。
さらに、勾配天井を活用した5畳ほどの小屋裏収納があり、季節ものの衣服や長期間使用しないものを収納することが可能です。
そのほか、13.5kwの太陽光パネルが設置されており、エネルギー消費も考慮されて設計された平屋に仕上がっています。
こちらの平屋では、リビングスペースを折り上げる設計が施されており、折り上げ部分に木目を貼ることで、立体感のあるおしゃれな雰囲気が演出されています。また、間接照明を設けることで、全体的に雰囲気のある仕上がりになっているのも特徴といえるでしょう。
そのほか、ペレットストーブが設置されており、寒い冬場でも、建物全体が心地いい温度で囲まれることから、快適な暮らしを送れます。
本平屋は、白ベースの外壁とアクセントにレッドシダー材が使われており、全体的にナチュラルな雰囲気の外観に仕上がっています。また、シンボルツリーとしてオリーブの木が植えられており、家全体が優しく明るい印象になっています。
キッチンの背面には、青系のタイルがアクセントとして施されており、ニュアンスカラーが配色されることで、デザイン性の高いキッチンスペースが特徴的です。
こちらは2階建て住宅でありながら、工夫された間取りによって、まるで平屋のような暮らしを送ることができます。1階部分にキッチンやダイニングスペースに加え、寝室やウォークインクローゼットがレイアウトされているので、ほとんどの時間を1階で過ごせます。
また、脱衣室にはカウンターが設けられており、アイロンがけのスペースとして活用できるのも魅力ポイントの一つです。そのほか、アイアンの小窓が付いた書斎スペースは、シックで落ち着いた配色でデザインされており、大人な雰囲気に仕上がっています。
今回の記事では、上田市で家づくりをお考えの方に、平屋のメリットや注意点と、実際の施工事例をご紹介しました。
平屋は、生活がしやすく、階段がない広々とした空間が特徴ですが、間取りによっては冷暖房効率が悪くなるといったデメリットがあります。しかし、施工実績が豊富にあるハウスメーカーや工務店に相談することで、デメリットをしっかりとカバーすることが可能です。
しあわせや田尻木材は、長野県で多数の平屋の施工実績があり、それぞれの家族構成やライフスタイルに合わせた最適なプランをご提案いたします。上田市で平屋を検討されている方は、お気軽にご相談ください。
林野庁:「木材利用の促進について」の情報
国土交通省:「住宅・建築」の情報
国土交通省:「和の住まいの推進」の情報
国土交通省:「木造住宅・建築物の振興施策」の情報
国土交通省:「建築物省エネ法」の情報
経済産業省:「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」の情報
国土交通省:「住宅ローン減税」の情報
長野県:「住まい」の情報
長野市:「住宅課」の情報
須坂市:「まちづくり課」の情報
中野市:「建築住宅係」の情報
千曲市:「住まい」の情報
上田市:「住まい」の情報