長野県の住まいの特徴というのはあるのか? 他の人はどういう住まいづくりをしているのか?という疑問をお持ちの方もいるでしょう。
しかし、長野県にお住いの方ならご存じと思いますが、長野県は大きく、南北に長いため、地域によって気候風土が違います。
そして、長野県に伝わる伝統的な工法、構造があるわけでもなく、長野県ではこんな住まいの特徴がある、と一概には言えないのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、まずは長野県の気候風土はどういうものかと見ていき、その気候風土の特徴に応じてどういった家づくりをしているのか、しあわせや田尻木材の家づくりの事例をベースにお伝えしていきます。
これから住まいを新しくする予定がある方、リフォーム・リノベーションの予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
長野県内で家づくりしていく場合、まずは気候特性を把握した方が良いでしょう。快適な暮らしを永く続けるためには、気候に対応した住まいの構造、性能が必要だからです。
長野県の気候特性を見るにあたって、ここでは代表的な地域として比較的人口が多い長野市、松本市、飯田市を中心に、実際の気候データを見ていきましょう。
2021年の1月から12月までの気温や降水量、湿度などの数値をまとめました。
月別の平均気温(℃)を見ると、長野市、飯田市、松本市の3市の夏のデータに大きな違いはありませんが、冬は長野市が低い傾向になっています。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
月別の最高気温(℃)を見ると、平均気温同様、長野市、飯田市、松本市の3市の夏のデータに大きな違いはありませんが、冬は長野市が低く、涼しい傾向になっています。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
月別の最低気温(℃)を見ると、長野市、飯田市、松本市の3市に大きな違いがなく、松本市が比較的低く推移している傾向になっています。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
月別の平均湿度(%)を見ると、長野市が高い傾向にあります。他の地域と比較すると、日本海側に近い地域では冬の湿度が高くなる傾向が見られます。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
このデータを、折れ線グラフでも見てみましょう。 長野市、新潟市が高い傾向にあり、松本市は比較的湿度が低い傾向になっていることが分かります。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
月別の合計降水量(mm)を見ると、飯田市が春から秋にかけて高い傾向にあります。
※長野市、飯田市、松本市は1889年~2021年までの平均値
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
長野市、飯田市、松本市の3市だけのデータをグラフにすると、飯田市が多いことがより顕著にわかります。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(1889年~2021年の平均値)
月別の最大瞬間風速(m/s)を見ると、松本市の8月が高い値になっていますが、県外の3市と比較すると、高い数字にはなっていません。内陸で盆地が多い地域特性の影響があると考えられます。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
月別の最大瞬間風速の風向を見ると、松本市がほぼ南側である以外は、おおむね西もしくは北西からという傾向になっています。
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
月別の日照時間(h)を見ると、長野市の冬の値が低くなっています。
※長野市、飯田市、松本市は1889年~2021年までの平均値
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
このデータを、折れ線グラフでも見てみましょう。 長野市、飯田市、松本市の3市は、県外の3市と比較して平均的な値で推移しています。
※長野市、飯田市、松本市は1889年~2021年までの平均値
出典:国土交通省 気象庁のWEBサイトデータ(2021年)
各データを見ると、以下のようになっています。
長野市は、冬の気温が低く、日照時間も比較的少ない値になっていました。
飯田市は、冬から春にかけて比較的温暖な気温でした。そして、年間を通じて降水量が多い傾向が見られます。最大瞬間風速も、長野県内3市の中では比較的値が大きい方です。
松本市は、冬の最低気温が長野県内3市の中では低く、湿度も低い値になっていました。最大週間風速の風向きが、松本市だけ南側からというデータになっていました。
こういったデータは、家づくりでどういう設備や間取りにした方がいいのかを検討する際の材料になるでしょう。
例えば長野市の場合、冬が寒いので高断熱・高気密にしつつ、冬でもなるべく自然光が取り入れられる間取りにするなどです。
日照や風向き、湿度、雪など長野特有の気候風土に合わせて、構造、素材、間取り、冷暖房設備をトータルでどうするかということを考えていくことになります。
そして、家づくりにあたっては、こういったことをしっかり相談できる工務店やハウスメーカーを選ぶべきでしょう。
出典:しあわせやWEBサイト https://www.siawaseya.net/works/130409/
前述の長野県で家を建てるに際には、長野県内の気候に対応した性能・仕様が求められます。
基本的に、国内では寒い地方に分類されるため、寒さへの対策が必要です。
そして、湿度も快適に保つ設備・構造が必要になります。
様々な工務店・ハウスメーカーが、それぞれの方法で家を建てていますが、全てを網羅することはできないため、ここでは、例えば「しあわせや田尻木材」の住まいの性能・仕様はこうしています、という内容をお伝えしていきます。
しあわせや田尻木材では、機械に頼りすぎずに自然の力を有効活用し、快適に暮らしながら省エネを実現させる設計思想で家づくりをしています。
出典:しあわせやWEBサイト「標準仕様」https://www.siawaseya.net/newly-built/shiyou/
夏場は風をコントロール。風通しを考えた窓の配置を。また吹き抜けや高窓、室内の明採窓を上手に組み合わせ、光を室内に導きます。
そして、窓の高さを考慮することで、プライバシーにも配慮した設計をしています。
しあわせや田尻木材では、永く快適に暮らしていただくために、冬暖かく、夏涼しい、結露や経年劣化に強いグラスウールのブローイング式断熱工法を採用しています。
出典:しあわせやWEBサイト「標準仕様」https://www.siawaseya.net/newly-built/shiyou/
グラスウールは住宅用断熱材として約40%という圧倒的シェアを占めています。
プラスチック系断熱材に比べて経年劣化が少なく火に強いというメリットを持っています。
さらに高い防音効果を持ち、コストパフォーマンスに優れた優秀な断熱材です。
しあわせや田尻木材では、この断熱材を壁に100ミリ(実質105ミリ)、天井には300ミリとふんだんに使用、ZEH基準を大きく上回る性能を持ち、平均的な間取りで外皮性能UA値=0.4台となっています。
※注(株)矢野経済研究所調べ2020年度
しあわせや田尻木材では、窓には高性能なアルミ樹脂複合断熱サッシを採用しています。
優れた省エネ効果に防露効果が期待できるうえに、遮熱・高断熱タイプで紫外線をカットしてくれるアルゴンガス入りのLow-Eガラスにより快適な室内環境を実現しています。
出典:しあわせやWEBサイト「標準仕様」https://www.siawaseya.net/newly-built/shiyou/
アルミ樹脂複合断熱サッシは、断熱性能の面で樹脂サッシに一歩譲る面はありますが、近年高性能化が進んでいます。
さらに、アルミを使っているために強度が高いというメリットがあります。強度が高いので枠が細く美しいデザインの窓になり、熱にも強いので夏の暑さにさらされて歪むリスクも減ります。
また使い勝手、主に動きの良さは樹脂よりスムーズで、メンテナンス性にも優れています。
現代の住宅では、気密性をある程度高く保つのが常識とされています。気密性を高く、というと息苦しく感じるかもしれませんが、そうではありません。
例えばですが、側面に爪楊枝でたくさんの穴を空けたストローがあったとします。そのストローでコップからジュースを飲もうと思っても上手く飲めないのは想像していただけるでしょうか?
住宅も同じで、あちこちに隙間があると、逆にうまく換気が働かず、家の中の空気がよどんでしまうのです。
出典:しあわせやWEBサイト「標準仕様」https://www.siawaseya.net/newly-built/shiyou/
そのため、まずは気密性を高くし、入り口と出口をちゃんと決めて計画的に換気をするのが現在の住宅のやり方なのです。
この気密性はC値と呼ばれていますが、現在なぜかこのC値は国が基準を定めていません。以前は北海道と一部東北がC値=2、他地域は5と決められていました。
しあわせや田尻木材の住宅の計測実績はC値=0.5~0.8となっており、高気密高断熱住宅の基準として国際的に名高いカナダのR2000基準の0.9をも下回るようにしています。
住まいを快適にするには、機能面を満たすだけでなく、ワクワクするデザインや間取りにしたいものです。
そこでここからは、「しあわせや田尻木材」の施工事例をご紹介していきます。
何かヒントになるものがあれば、ぜひ参考にしてください。
黒い外壁と石目調タイルが存在感を醸し出す外観。広いタイルテラスがBBQでの楽しい時間を約束してくれます。
キッチンの天井にはレッドシダーを貼りデザイン性をプラス。水廻りを回遊できる間取りは家事動線も抜群です。
リビングの隣のお部屋はお子様の遊び場としても。ご家族のライフスタイルの変化に合わせて用途が広がります。
室内はホワイトを基調にグレーのアクセントウォールでメリハリを付けました。ご要望の広々LDKは吹き抜けでさらに開放感が感じられます。
閑静な住宅街に佇むお住まい。車3台分の駐車場にアプローチには植栽で季節の彩りを。
洗車用スペース、芝スペース、タイルテラスがあり、お庭での楽しみがたくさん詰まっています。
眺望の良い立地を活かし、2階にプライベートリビングを配置。視線も気にならず、明るい陽射しがたくさん入る気持ちの良い空間に。
リビングの壁は一部本棚にして、ワクワクするお家ライブラリーにしました。
洗面スペースは広く取り、リビングで寛ぐ際のお茶なども用意できるように一工夫。
1階のランドリールームには物干しもあり、収納も多めに作ることでより暮らしやすく。
優し気に佇む白い外観。レッドシダー材でアクセントを付けました。
玄関前に植えたシンボルツリーのオリーブがお家を明るく彩ります。
陽当たりの良いLDKはナチュラルな色味をベースにクロスで可愛らしさを添えて。
キッチンに立つ奥様からお部屋全体が見渡せるので、子育てもしやすい間取りになっています。
きらめくタイルが目を惹く洗面台は造作でお作りしました。
家事動線の良さに加えて、自然とご家族の距離が近くなり、コミュニケーションが生まれやすいのも平屋ならでは。
上下移動のないワンフロアの暮らしは将来まで住みやすく、安心感があります。
ご両親と娘さん夫妻、お子様たちのお住まいです。黒い外壁で引き締めた外観は重厚感があります。
農家を営むご両親のご要望は、りんご置き場と土間スペース。キッチンには世帯それぞれの冷蔵庫を置くスペースを。
勝手口から出入りしやすいパントリーは広めに作りました。
ご主人の長年の夢は「居酒屋風カウンター」。濃い目の色づかいで落ち着いた和の雰囲気を醸し出します。
最近では少なくなった雪見障子ですが、お部屋の中から風情あるお庭の眺めが楽しめます。
2階にはそれぞれの個室とランドリースペースを配置。親子3世代が寛げる空間になりました。
ぱっと目を惹く黒のガルバリウムの外壁に、無垢の木を貼りました。
芝の緑とお庭に植えられたシンボルツリーがよりお家を引き立てています。
LDKは開放感を感じる大きな吹き抜けが特徴。天井の木目も良いアクセントになっています。
2階にはオープンなワークスペースを。
収納は多めに、でも極力隠したい!そんなご要望を叶えるため、1階にもファミリークローゼットを設け、ロールスクリーンで目隠しできるようにしました。
TVボードは床に置かずに浮かせてお掃除しやすく。棚ひとつにもこだわって、使いやすさ、暮らしやすさを考えました。
黒い外壁がクールな印象の外観。玄関に入ると広々シューズクロークがあります。
リビングに入る前に手洗いが出来るよう、洗面台の位置を考えました。
T様のイメージに沿うよう、外壁材でお作りした洗面台は1点もののオリジナル仕様です。
お部屋のカラーは白とグレーで統一し、スッキリとしたホテルライクなテイストにまとめて。
リビングの吹き抜け部分は2階の個室の窓とつながり、冷暖房効率にも配慮しました。
2階のホールにはカウンターを設置し、書斎としても家事スペースとしても使えるようにしました。
日常がちょっと特別になる、そんな空間に仕上がりました。
白いガルバリウムの外壁に木目とグレーを組み合わせた外観。シンプルな外構にシンボルツリーのオリーブが映えます。
玄関ポーチは自転車なども置けるように広めに取りました。固定した宅配BOXが便利そうです。
室内はブラウン系でまとめ、どこか「和」を感じる落ち着きある雰囲気に。
LDKと畳スペースを格子でやんわり仕切ることで空間に変化を付けています。
1階、2階にそれぞれ設けたランドリールームで家事をスムーズに行えそうです。
2階の個室は腰壁を使い、あたたかみを加えて。ご主人ご希望の書斎はカウンターを設けて使いやすく。
ご夫婦とわんぱく盛りのお子さまたちのお住まい。ご主人のご要望は「ホームシアター」のためのプロジェクターを設置すること!
リビングで映画やTVはもちろん、ゲームをしても臨場感あふれる大画面が楽しめます。
奥様セレクトの外観は白い外壁に瓦屋根。
LDKもアクセントカラーを効かせて可愛らしく。キッチン横のパントリーは広々と。
リビングの隣にはゴロンとくつろげる畳コーナーを。必要に応じてロールスクリーンでさっと間仕切りできます。
スッキリとしたシャープな外観。LDKで目を惹くのは奥様ご要望の「コの字型」キッチン。
キッチン部分は床を下げて、カウンターテーブルに座るご家族と同じ目線になるように配置しました。さっと手が届く動線で使い勝手も抜群です。
普段お忙しいご主人も休日はゆっくりくつろいでいただけるよう、リビングの広さや壁掛けTVの位置にこだわりました。
洗面台はグリーンをアクセントカラーに効かせ、こちらもイメージに沿ってお作りしました。
ランドリースペースはあえて2階に配置し、お天気を気にせずお洗濯ができるように。
黒い外壁に木目調のドア。お庭には駐車場と芝スペース、物置と駐輪場がバランス良く配置されています。
元気いっぱいのお子様たちがのびのび過ごせるよう、LDKは仕切らずに広々と。
TVスペースにはアクセントウォールで空間に変化を付けました。
お家のインテリアに合わせたベトングレーのキッチンも素敵。キッチンから洗面、浴室へ続く家事動線も便利です。
2階ホールにはご主人念願の書斎スペースを作りました。
長野県の気候の特徴は、夏場は過ごしやすいものの、冬は寒かったり湿度への対応が必要というものでした。
長野県で住まいづくりをするなら、こういった気候特性を考慮した仕様で建てることをおすすめします。
また、快適な暮らしは、機能面を満たすだけでは実現しません。
気持ちが高まるデザインや素材、そして家族との距離感も大切です。
様々な施工事例を参考にして、想像力を働かせてみましょう!
林野庁:「木材利用の促進について」の情報
国土交通省:「住宅・建築」の情報
国土交通省:「和の住まいの推進」の情報
国土交通省:「木造住宅・建築物の振興施策」の情報
国土交通省:「建築物省エネ法」の情報
経済産業省:「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」の情報
国土交通省:「住宅ローン減税」の情報
長野県:「住まい」の情報
長野市:「住宅課」の情報
須坂市:「まちづくり課」の情報
中野市:「建築住宅係」の情報
千曲市:「住まい」の情報
上田市:「住まい」の情報